2025年4月15日火曜日

カヤックの大きさや形がカヤックに及ぼす影響について



Adventure OtakuのBrett Friedman氏の動画から多くのことを学んだのでここにまとめて書いておく。それは僕が1年半前にカヤックを始めてからずっと疑問に思っていたことを彼が明快に説明してくれたからだ。

まず第一点。長いカヤックほどスピードが出るのはなぜか?
彼は上に示した動画の中でこのように語っている。
「水を左右に押し広げる面積が大きいほどハルにかかる圧力が小さくなりよりスピードが出る」

これについては水と接する面積が増えると水の抵抗も大きくなるように思ったのでGrokに尋ねたら、確かに船の長さが長いほど水との抵抗は増加するがそれは主に摩擦抵抗に基づいている。
しかしカヤックのスピードにおいては形状抵抗(特に波抵抗)が支配的な影響を持つ場合が多く、カヤックの長さが長いと船首で発生する波(船首波)と船尾で発生する波(船尾波)が互いに干渉しにくくなり、波抵抗が減少する。
波抵抗は、カヤックの速度が上がるほど大きな影響を与えるため、長いカヤックは特に高速での効率が良くなる。
一方、短いカヤックでは水を押し広げる面積が小さく水が狭い範囲で強く圧縮されるため大きな波が発生しやすくなる。これが大きな形状抵抗を引き起こしスピードを出すのに多くの力が必要になると。




次にキールとロッカーについて。
  • キールが長くて立っているほど艇は真っ直ぐ進む。これは艇を曲げようとしてもキールが邪魔するからで理屈としては直感的に理解できる。詳しくは動画を参照。
  • ロッカーが大きいほど曲がりやすいが直進性は低下する。これも同じ理屈。





次にチャインについて。
  • ハードチャインは傾けにくい(二次安定に持っていくのに苦労する)が傾けたあとは安定する。これはキールの理屈と同じ。
  • ソフトチャインは傾けやすいがその状態を維持するのは難しい。これもキールの理屈と同じ。

エッジングについて。
エッジを立てると(エッジングすると)みかけの水線長が短くなり曲がりやすくなる。これはロッカーの大きな船が曲がりやすいのと同じ理屈。このときソフトチャインだとさらに曲がりやすいがハードチャインだと曲がりにくい。これもキールの理屈と同じ。
ちなみにPAKAYAKはどちらかというとハードチャインなのでエッジングしたくとも「傾けにくく曲がりにくい」という実体験に合致する(PAKAYAKが二次安定状態を維持しやすいかといえば疑問だが)。



さて、ではもうひとつ重要なテーマについてGrokに聞いてみた。
カヤックはedgingしただけで左右どちらかに曲がりますか?それともedgingすると曲がりやすくなるだけですか?

カヤックのエッジング(艇を傾けること)についてですが、エッジングしただけでカヤックが自動的に左右に曲がるわけではありません。エッジングは主にカヤックの操縦性を高めたり、特定の方向に曲がりやすくするための技術です。

具体的には:
エッジングのみでは曲がらない:エッジングするだけではカヤックは直進を続けます。ただし艇の形状や水流の影響でわずかに進路が変化することがある場合もあります(特にアシンメトリックな艇や強い流れの中で)。

曲がりやすくなる:エッジングすると、カヤックのハル(船底)の形状が水と接する部分が変わり、抵抗や水の流れに対する反応が変わります。これによりパドル操作や体の動きと組み合わせることでターンがしやすくなります。例えば右にエッジングすると右に曲がりやすくなり、左にエッジングすると左に曲がりやすくなります。

エッジングの効果は、カヤックの種類(シーカヤック、リバーカヤック、プレイボートなど)やデザイン(ロッカーやハルの形状)によっても異なります。例えば、ターンが得意なプレイボートはエッジングの影響を受けやすく、シーカヤックのような直進性の高い艇はエッジングだけでは曲がりにくい傾向があります。

結論:エッジングは曲がりやすくする補助的な動作であり、実際に曲げるにはパドルストローク(スイープストロークなど)や体重移動を組み合わせる必要があります。

なんだ!外側にエッジングすればそれだけで内側に曲がるわけではなかったのだ!(おそらくその時の重心の位置のずらしが関係しているのだろう、パドリングは別として)
うーん。いろいろ目からウロコの一日だった。

2025/4/15

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