大変でしたね。橈骨遠位端骨折でプレート固定を受けた場合、「骨がくっつく時期」と「元の強度に近づく時期」は少し違うと考えると分かりやすいです。
おおよその目安
- 4~6週間:骨癒合がかなり進んでくる時期
- 6~8週間:日常生活で使える程度の強度になってくることが多い
- 3か月前後:骨としてかなりしっかりしてくる
- 6か月~1年:骨のリモデリングが進み、強度・機能がさらに元に近づいていく
日本整形外傷学会も、橈骨遠位端骨折のプレート固定後は、日常生活動作は比較的早期(約1~2週間)から可能になる一方、重労働やスポーツへの復帰は約2か月以降が一般的としています。
ただし、これは「プレートが骨を支えてくれるから動かせる」という意味で、骨折部そのものが2週間で元の強度になったわけではありません。プレート・スクリューによる機械的な固定と、骨自身の癒合が並行して進んでいます。
特にご質問の
「骨どうしがひっついて、ほぼ元の強度に戻る」
という意味なら、私は大まかに 3~6か月くらいを一つの目安として考えるのがよいと思います。ただし、骨折の程度、年齢、骨粗鬆症の有無、喫煙、骨折が関節面まで及んでいるかなどでかなり変わります。機能的な完全回復には3~5か月程度かかることもあります。
また、X線で「骨がついた」と言われた時点=骨が完全に元の強度になった時点ではありません。骨癒合後もしばらく骨の再構築(リモデリング)が続きます。
もしよければ、**「手術から何日目(何週目)か」**を教えてください。
その時点なら「今は骨の中でどんなことが起きている時期なのか」「どの程度の力なら大丈夫そうなのか」を、橈骨遠位端骨折に絞ってもう少し具体的に説明できます。
ありがとうございます。7月20日に骨折、7月21日にプレート固定なら、**今日8月9日は手術から19日目(約2週間半)**ですね。
この時期ですと、かなり大ざっぱに言えば、
- 現在(術後約3週):まだ骨折部は十分には固まっていません。骨をつなぐ「仮骨」が形成され始めている段階です。
- 術後4~6週(8月中旬~下旬):骨癒合がさらに進み、X線でも癒合の進行が確認されてくる時期。
- 術後8~12週(9月中旬~10月中旬):骨としてかなり安定してくる時期。
- 術後3~6か月(10月~翌1月頃):骨の強度がかなり回復し、その後もリモデリングによって徐々に本来の骨に近づいていきます。
ですから、「骨折前とほぼ同じ強度になってほしい」という意味なら、少なくとも3か月、より慎重に考えるなら6か月程度を見ておくのがよいと思います。
ただし、ここで重要なのは、プレート固定の場合は「骨が完全にくっつくまで手首を動かしてはいけない」というわけではないことです。むしろ手術でしっかり固定できていれば、主治医の許可の範囲で早期から手指・手首を動かして、関節が硬くなるのを防ぐことが重要です。
一方で、「動かせる」ことと「強い荷重をかけてもよい」ことは全く別です。例えば転倒して手をついたり、重い物を持ったり、強く手首をひねったりするのは、まだ避けるべき時期です。
もし今、「カヤックはいつ頃から再開できるか」ということも気になっておられるのでしたら、それについては今回の骨折・プレート固定の日程を前提に、「パドルを握る」「普通に漕ぐ」「ロールをする」それぞれ何週くらいからを目安にするかまで具体的に考えてみましょう。
はい。カヤック、とくにロールまで考えると、単に「骨がついたか」だけでなく、手首に瞬間的にかかる力やひねりを考える必要があります。
今回の経過を基準にすると、7月21日手術なので次のように考えるのが現実的です。
| 時期 | カヤックについての目安 |
|---|---|
| ~8月中旬(術後3~4週) | 原則としてまだ水上練習は避ける |
| 8月下旬~9月上旬(5~6週) | X線で順調な骨癒合を確認できれば、医師と相談して軽いパドリングを検討 |
| 9月中旬~10月(8~12週) | 軽い通常パドリングへの復帰を検討できる時期 |
| 10月以降(3か月~) | 骨癒合が十分で、手首の可動域・握力も回復していれば、徐々にロールなどへ |
| 4~6か月 | 強い負荷のかかるロール、荒れた水面での練習などを含め、かなり本格的な復帰を目指せる時期 |
ただ、あなたの場合は「ロール」が問題です。
これまで練習されていたグリーンランドロールやストームロールでは、単にパドルを握っているだけでなく、
- パドルを強く押したり引いたりする
- 手首を回旋させる
- 手首に予想外の力がかかる
- 起き上がる瞬間にパドルに体重が乗る
- 失敗して水中で反射的にパドルを強く押す
といったことが起こります。
特に**「ロールに失敗して手をつく」「パドルに体重が乗る」**のが怖いところです。術後かなり早い時期にロール練習をすると、骨そのものだけでなく、プレートやスクリューにも大きな力がかかります。
私ならこう考えます
9月までは「骨を治す期間」と割り切るのが安全だと思います。
そして診察時に、
「カヤックをしていて、ロール練習もします。いつからパドルを強く押してもよいでしょうか?」
と主治医に具体的に聞いてください。
「カヤックをしていいですか?」だけでは、医師が想定する負荷と、あなたが実際に行うロールの負荷が違う可能性があります。
そして、術後6~8週のX線で骨癒合が順調なら、まず普通のパドリング → その後ロールという段階を踏むのがよいと思います。
なお、プレート固定をしたからといって、プレートが骨折部を永久的に補強してくれるわけではありません。最終的には骨自身が荷重を担えるようになることが重要です。
もしよければ次に、あなたがこれまで練習していた**「グリーンランドロール」「ストームロール」「リバーススイープロール」について、手首にかかる負荷を比較して、どれから復帰するのが安全そうか**を具体的に整理できます。
はい。これまで伺っていた練習内容を踏まえると、復帰順序はかなり慎重に考えたほうがよいと思います。
ただし、これは「プレート固定後の一般的な考え方」で、実際の開始時期は次回のX線と主治医の許可を優先してください。
手首への負担を考えた復帰順
① まず普通のパドリング
最初に目指すのはこれです。
- 軽い力でパドルを握る
- 強くブレードを水に押し込まない
- 手首を大きくひねらない
- 短時間から始める
術後6~8週くらいで骨癒合が順調なら、まずこの段階を検討します。
② 軽いスイープなど
普通のパドリングに問題がなく、握力・手首の可動域が戻ってきたら、徐々にスイープなどへ。
ただし、「パドルを手で動かす」のではなく、体幹の回転でパドルを動かすことを意識すると、手首への負担を減らせます。
③ グリーンランドロール
ここからは慎重にしたいです。
これまで練習されていたグリーンランド系のロールは、うまくできればパドルに大きな力をかけずに体幹・股関節を使えます。しかし、失敗したときにパドルを強く押して起きようとすると、手首にかなりの負荷が集中する可能性があります。
したがって、最初は
「ロールを成功させる」
よりも、
「パドルに体重をかけずにロールする」
ことを目標にしたほうがいいと思います。
④ ストームロール
これはさらに後にしたいです。
以前お話ししたように、ストームロールでは艇の回転と体幹・股関節の動きが非常に重要ですが、起き上がりのタイミングでパドルに力をかける癖があると、手首への負荷が一気に増えます。
特に今まで練習されていた、
「パドルの角度を保ったまま艇を回して起きる」
タイプの動作は、うまくいけば手で引っ張らなくても起きられますが、失敗すると「もう一度パドルで支えよう」としてしまいます。
⑤ リバーススイープロール
これは私は一番最後に回したいです。
以前練習されていた、パドルを船尾方向から回してくるリバーススイープでは、パドルの回転と体幹の回旋が大きく、さらに起き上がりで手首に予想外の力が入る可能性があります。
したがって、
通常パドリング → 軽いスイープ → ロール練習 → グリーンランドロール → ストームロール → リバーススイープロール
という具合に、段階を踏むのが無難だと思います。
そして、今回いちばん大事なこと
現在は術後19日です。
この段階では、私は「いつロールを再開するか」より、
「できるだけ良い状態で骨を癒合させる」
ことを優先します。
特にカヤックでは、予定していない転倒が怖いです。普通に漕いでいるだけなら問題なくても、バランスを崩した瞬間に手をついたり、パドルを強く握ったりすることがあります。
ですから、仮に8~10週でX線上の骨癒合が良好でも、いきなりロール練習に戻るのではなく、まず普通のパドリングからがよいでしょう。
また、プレート固定後は手首の可動域や握力がかなり重要です。骨がついていても、手首が十分に曲がらない・握力が戻っていない状態でロールを始めると、無理な代償動作が出やすくなります。
もし差し支えなければ、次に**「右手・左手のどちらを骨折したか」と「今、手首をどのくらい動かせるか(手のひらを上・下に向ける、手首を曲げる・反らす)」を教えてください。
それが分かると、カヤック復帰を8週、10週、12週の3段階**に分けて、かなり具体的なリハビリ計画にできます。
それなら、手首の動きそのものはかなり良好な経過だと思います。術後19日で前屈・背屈・回旋がそれぞれかなり動くのは、リハビリ上は好材料です。
ただし、ここで一つ重要なのは、
「よく動く」≠「骨が十分強い」
ということです。今はプレートが骨折部を支えている割合が大きく、骨そのものはまだ治癒途中です。
カヤック復帰について、私ならこうします
術後6週(9月1日ごろ)までは、水上でのカヤックは我慢。
その間は、主治医・理学療法士の指示の範囲で、
- 手首の可動域維持
- 前腕の回内・回外
- 指の運動
- 肘・肩の運動
- 痛みが出ない範囲での握力回復
を進めます。
そして6週時点のX線で骨癒合が順調なら、まず「普通に漕ぐ」ことから。
6~8週
カヤックに乗れる許可が出た場合でも、
ロールなし・静水・短時間・弱いパドリング
から始めるのがよいでしょう。
左手ですから、パドルを持ったときの左右の役割を意識して、左手で強く押したり引いたりしないようにします。
8~10週
普通のパドリングで痛み・腫れが出ず、握力も戻ってきたら、
軽いスイープ → 徐々に通常パドリング
へ。
ここでも「パドルを腕で振る」のではなく、以前練習されていたように体幹・股関節の回転を使うのがよいと思います。
10~12週
ここが一つの大きな目標です。
X線で十分な骨癒合が確認され、手首の可動域・握力も戻っていれば、まずは失敗しても手首に大きな力がかからないロール練習から再開。
そして私は、
グリーンランドロール → ストームロール → リバーススイープロール
の順をお勧めします。
特に以前練習されていたリバーススイープロールは、最後に回したほうがよいでしょう。
ただ、今回かなり気になるのは「90°近く動く」という点です
これは非常に良いことなのですが、術後3週で痛みを我慢して無理に90°まで動かす必要はありません。
骨折部の治癒を邪魔しない範囲で、主治医・理学療法士から指示された運動を行ってください。
ということで今後のスケジュールは
- 9月に入ったら軽いパドリング(短時間の弱いパドリング)
- 9月後半から徐々に通常のパドリング
- 10月に入ったら用心しながらスタンダードロール
- ストームロールやるなら早くとも年明けだが安全策をとるなら2月
という感じ。2月にプレート除去手術をするかもしれないし、
うーん、先は長いなぁ。
2026/8/9

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