2023年11月30日木曜日

11月30日(23/11/30)

 

カヤックで漕ぎ出して思いのほか遠くまで行って帰ってくるときに向かい風だと帰港に苦労する。そんなときカヤックの底部にモーターがあればなぁと思う。僕のカヤックはフィンが底に付いていないので無理だと思っていたがフィンボックスを接着剤とゴリラテープで取り付ければモーターを装着できることがわかった。まぁそれはいずれ。

午前9時に千刈キャンプに電話で日帰り利用を申請して出発。事務棟で500円を払おうとすると振込用紙を渡すので振り込んでくれと言われ驚く。
10フィートのカヤックを肩にかついで石畳を降りて、獣道を降りてすぐの場所のひっつきむしをドンドン抜いて出航場所らしくした。組み立てようとしたが10フィートのカヤックはラッチが硬くてすごく難儀した。おまけに船尾の裂け目が少し広がっていた。蝶番のところで裂け目は止まってはいるが。

出港し支流を出て今日は右へ。新大橋の下をくぐって普明寺橋で右にUターンして新大橋を再びくぐり、羽束川を遡上。中州でカヤックを下りて少し散歩してから帰港。新作のシートはもともと船内で寝転ぶことを意図していたのでラッチを外して背もたれを倒したが狭くて寝転べなかった。それどころか再び背もたれを立ててラッチを嵌めようとしたが狭い船内でゴソゴソすると転覆しそうになる。とても危険に感じた。やはり純正のシートでよいのかもしれない。船着き場に戻って撤収。石段は67段ある。10フィートのカヤックは重い。5フィートのカヤックにスタビライザーを付けて使うべきか。

RAWで撮ったiPhoneの写真をLightroomでTif変換してPhotoshopで加工。







2023年11月29日水曜日

10フィートのカヤックを運ぶ方法(23/11/29)

 

羽束川で10フィートのカヤックに乗りたいがあの急な階段状の坂はドーリーでは運べない。そこでアマゾンでバックパック付きゴルフバッグを探してみたがダメ。ふと思いついたのが背負子(しょいこ)。それだ!するとまたたくまに理想的な背負子が見つかった(リンク)。軽くて折りたたみ出来るので後ろに格納して出航できる。さっそく注文した。届くのは来週の水曜日あたり。そういえば知明湖でカヤッキングするとき県道から入って左の駐車場に止めれば背負子を背負って階段を降りてすぐに船着き場だ。ドーリーの出番がなくなる?
上のスケッチはカヤックを背負子に載せて背負った状態を大まかな縮尺で描いたもの。重心が大分上に来ることと頭上に20~30cm飛び出すのが難点。



2023年11月26日日曜日

カヤックで写真を撮るための機材(23/11/26)

 カヤックで写真を撮るのにGFXでは機材が大きく重すぎるしトラブルが発生すると損失が大きい。つまりそれは現実的な選択ではない。そこで今使っていないOM-D E-M1用に新たに広角ズームや標準ズームを購入することを考えたがGFXより小規模とはいえ結局それも大げさな気もする。そういう意味ではiPhoneが最も現実的だ。iPhoneでRAWで撮ってあとで編集するというのが最もスマートだ。試しにRAWで撮ってみたら保存ファイルはHEICというフォーマットだった。これはそのままPhotoshopに入れると8ビットのjpegになってしまうがLightroomで開くと16ビットのTIFに変換できる。







2023年11月24日金曜日

羽束川をカヤックで遡上する(23/11/24)






猪名川から千丈寺湖へ行く途中に千刈水源池というダム湖がある。カヤックでここを漕いだら気持ちいいだろうなぁと波豆川や羽束川に架かる橋を渡りながらいつも思っていた。ネットで調べるとダムは経産省の管轄(水力発電)で、橋から上流は国交省(河川)の管轄であり、橋から上流は釣り禁止には相当しないとのこと。ということはカヤックもOKだろう。そこでGoogleマップを見ながら羽束川に降りる道がないか探してみた。
しかし地図を見てもわかるとおり羽束川に降りる道は存在しない。





Googleマップの航空写真をつらつら眺めてみると関西学院大学の千刈キャンプ場から羽束川に向かって何やら細い道があるように見える。




そこで千刈キャンプ場に電話で問い合わせてみたら川へ降りる道はないと思いますと。
ものは試しと見学(無料)に行ってきた。事務棟の職員さんはとても好意的でお気を付けてという言葉を背に受けて一人で探索に出掛けた。最初隣の施設の脇から降りていこうとしたら崖だったのでやっぱり駄目かと諦めかけたが、いったん引き返して第2ファイヤー場の脇を降りていくと羽束川の支流にかかる小さな橋に出た。その直前に左に降りていく小道を発見。降りていくとぬかるみがあって、その向こうに支流が流れている。もくろみが図に大当たり。ヤッター!と大喜びしてさらに進んでいくと野原のようなところに出てヒッツキムシだらけの野原を左に入っていく獣道を進んでいくと羽束川の岸辺に出た。しかもそこはちょっと平坦な広さがあってカヤックの組み立てにもってこいだった。








紅葉を見ながら美しい川を遡上するのは最高の気分。


ここでのカヤッキングを希望される方はまず千刈キャンプ場(リンク)にお電話を。
関西学院千刈キャンプ
〒669-1507 兵庫県三田市香下1817-1 TEL079-563-5233
車は事務棟の前に止められます。日帰りでの利用と伝えれば利用料は500円です。








2023年11月23日木曜日

裂け目の補修とかハンドルやモールの取り付け(23/11/23)

10フィートのカヤックの船尾のレバーロックの根部に新たな裂け目が発生したので

蝶番で裂け目が広がらないように養生した。



カヤックを背負ったり持ち上げたりするために取っ手があると便利なのでアマゾンで買ったがそのままだと隙間に指が入らない。そこで取っ手をグイッと持ち上げた位置でビス留めしようと思うのだが基部が斜めになってしまう。



そこでカッターで基部を斜めに削ろうとしたがなかなか大変とわかったのでDREMER出動。最初DREMERの刃先でカットしようとしたがそれよりもヘラのようになでて溶かしながら平らにする方がきれいに仕上がるとわかった。

無事完成。

最後にカヤックの全周にモールを装着して今日の作業は終了。






2023年11月20日月曜日

ガウナイ川(23/11/20)

 
朝9時に知明湖へカヤック。今日は10フィート。なぎさ出合地区の駐車場でカヤックを組み立てていたら釣り人がスロープを上がってきて「すごいですね」と興味深そうに見た。組み立てに苦労してますと答えたら独り言のように「遊びは楽しいね」と。何だか心に届く独り言だった。
組み立て終わってドーリーに載せようとしたが上手く乗らない。ふと気が付いてドーリーを横倒しにし、渡したロープを締めてから上向けたら上手くいった。ところが船尾を見るとフックの根部にまた新たな裂け目が。うーん、これはちょっとやっぱりこの新しい硬化プラスチックは大いに問題ありだなぁ。また帰ってから蝶番を注文しよう。
ドーリーに載せたカヤックを引きながらスロープを降りていったら親子のシカが!近づいたら子鹿は逃げたけど親ジカは逃げないのでiPhoneで動画を撮影した。野生のシカを見たのは初めてだったのですごくうれしかった。
浜辺には誰もいなかったので右へ行くか左の漁業組合の方へ行くかちょっと悩んだが結局漁業組合の方へ。カヤックを浮かべてドーリーをシートの後ろに乗せてユルユルと漕ぎ出す。うん、いい感じ。ところが大路次川の方へ漕いでいくうち舳先がやたら左右に振れる。あぁ、これはきっとスケッグが降りていないせいだなと思い浜辺に引き返してスケッグを下ろして再び出航。今度はまっすぐ進んだ。8ftの僕の最高速度は6km/hだったが10ftの最高速度は7km/hだった。ガウナイ川を遡上したらまだそれほど奥まで行っていないのにガツッといって大きな岩かコンクリートの上を乗り越えた。危ない危ない。それでもう少し漕いでから引き返した。帰りは漕ぎながらなぜか頭に浮かんだのがトワ・エ・モアの“誰もいない海”。今はもう秋、誰もいない海♪と口ずさみながら帰港した。









2023年11月17日金曜日

8フィートと10フィートの比較(23/11/17)

 

8フィートと10フィートのカヤックを組み立てて並べてみた。これは初めての試み。計算では8フィートの方が60cm短いはずだが見た目はあまり変わらない。


カメラ機材を詰め込んだリュックを載せてシートに座ってみた。10フィートの方は何となく余裕があってゆったりしていて包まれ感があるのに対し8フィートの方は包まれ感に乏しく何となく窮屈な感じ。8フィートの方が軽くてレバーも軽いので組み立ては楽ちんだが10フィートは重くて組み立てはかなり力がいる。湖上では8フィートはスタビライザーなしだと少し不安定だが10フィートはスタビライザーなしで安定している。フォト検が終わったらStravaで10フィートのカヤックの速力を調べてみよう。




2023年11月11日土曜日

ドーリー(23/11/11)



アマゾンで買ったつっかい棒(リンク)を10フィートのカヤックのフットレストとして嵌めてみたらバッチリだった。主棒でだいたいの長さにして嵌めて副棒を回転させるとびくともしない。デフォルトのフットレスト棒はパカパカはずれて困っていたのでこれは我ながらいいアイデアだと思う。8フィートのカヤックにもこれを装着することも考えたが8フィートの方はデフォルトのフットレスト棒はそんなに外れないので困っていない。



ゴリラテープはいい仕事をしてくれているが圧力によるこすれに弱い。ステンレステープで追加補修した。シートの背もたれのストラップの根元がほちけていたのでホッチキスで簡易縫製。


アマゾンで買ったドーリー(リンク)を試しにキャビンに入れてみたらちょうどいい感じ。この状態で出航して帰港したらドーリーに載せて駐車場まで引っ張っていくというアイデア。
ところがこの状態でカヤックを肩にかついで(想定上の)水辺まで行こうとするとあえなくドーリーが落下。やっぱりドーリーは岸辺に留置して出港するしかなさそう。
追記:右肩でカヤックをかついで左手でドーリーを持って岸辺まで行きカヤックを浮かせてからドーリーを船内に乗せる?帰港してからはドーリーの入ったカヤックを引きずって坂を上がって平地まで持って行く?


カヤックをドーリーに載せてみた。3メートルのベルトで固定。船首にロープ。犬の散歩みたいに引っ張れる。巻き取り収納の時シートを船体の外側に固定するようにした。





2023年11月9日木曜日

9回目のパドリング(23/11/09)

 アクアバウンドのカーボンパドルはちょっと高かったけどすごくいい。250cmの長さは船内に雫が入らないしカヤックの速力もアップ。








数えてみたら千丈寺湖でのカヤックは4回、知明湖でのカヤックも今日で5回目だ。出合なぎさ地区の駐車場に車を止めて今日は8フィートのカヤックとスタビライザーと麦茶をかついでスロープを降りたら左手の崖にちらっと階段のようなものが見えた。ひょっとしてと思ってカヤックをその場において行ってみたら笹や雑草に隠れ気味だがちゃんと階段がある。上がってみたらちょうど車の入り口だった。これなら左の駐車場に止めてそのままかついで降りてこれる。でも今日の夕方到着するドーリーは使えない。どっちがいいかはなんとも言えない。

そのあと出航。ガウナイ川の入り江に入ってみたがやっぱり行き止まり。次に保ノ谷川の入り江に入ってみたがこちらも少し行くと小さな小川が流れ込んでくるばかりでそれ以上は進めない。引き返して田尻川を遡上。かなりの距離を遡上したがこの川も結局小さな小川が流れ込むところまで行っておしまい。引き返すことにした。
帰りは右の腰筋が痛くなってきて、あーあ、この趣味も結局身体から反旗を翻されて終わってしまうのかと憂鬱になった。それで黙々と漕いでいてもつらいだけなのでSpotifyでRy CooderのParadice & Lunchをかけながら漕ぐ。陽気な音楽に助けられた。

結局5.3キロを1時間半で帰港。平均速度は3.7km/hで最高速度は6.1km/h。スタビライザーを砲弾型にしたことがどれほど寄与したかは疑問だがなかなかいいじゃないか。ところが漁業組合の出艇場所に到着していざ艇を降りようとしたときにずっこけて下半身が水に浸かってしまった。帰宅後庭にカヤックをもう一度組み立てて艇を降りる練習をした。夕方ドーリーが届いた。





2023年11月8日水曜日

スタビライザーを改造(23/11/08)


10フィートのカヤックは非常に安定しているのでスタビライザーを8フィート用に改造。



スタビライザーを装着すると安定するが船の速力が落ちる。水の抵抗を減らすため砲弾型にスポンジを削ってゴリラテープを巻いた。さらに運搬用にストラップを装着。







2023年11月6日月曜日

Aqua-Bound(23/11/06)

Aqua-Boundからパドル(StingRay Carbon Posi-Lok 2pc Carbon 250)が届いた。
手触り、軽さ、質感、すべてに満足。 インチキレジャーパドラーにはもったいないレベルのパドルだがKen Whiting氏の言うとおりパドルは水とのコネクションツール(The paddle is your connection to the water)なのでご容赦願いたい。



2023年11月5日日曜日

11月5日(23/11/05)


 今日は知明湖の一庫大路次川を遡上して龍化隧道や龍化渓谷へ行きたかったが水位が低くて途中で引き返してきた。4キロを1時間半で。今日カヤックの速度をiPhoneのアプリで測ってみたらのんびりで時速3キロ、頑張って時速5キロだった。引き返してくる途中ですごい向かい風になり波立ってきてちょっと怖かったが頑張って漕ぎ抜いた。大変だった。ほんと。フットバーが外れまくるのでこれはなんとかしなくては。出発地点はいつものアオサまみれの浅瀬だったが着岸場所は漁業組合の縄張りの端っこにいい船着き場を見つけた。ここはアオサがないし釣り人達とは距離が離れているのでカヤックの組み立てや撤収のガチャガチャした音を気兼ねしなくてすむ。ここから上に上がっていけたら長いスロープを行き来しなくて済むのだが。フットバー用につっかい棒をアマゾンで注文。






2023年11月4日土曜日

マーキュリー?(23/11/4)

 アマゾンから幅5cm長さ3メートルのベルトが届いた。さっそくTucktecに装着。それでわかったことはやはりシートを付けっぱなしにして丸めるのは無理ということ。結局丸めて止めるにはシート固定用のベルトを使うのが合理的ということ。アマゾンで買ったベルトは十分な長さがあるのでカヤックを肩からたすき掛けできてこれは正解。
それからモジュラーカヤックについて延々と検索と考察。PAKAYAKはいいけど28キロはさすがに重すぎるし40万円は高すぎる。足でコントロールできるラダーの付いたPoint65のマティーニとマーキュリー。重さはどちらも変わらない。マティーニは安定しているが速度が出ない。安定していて速度が出ないならTucktecでいいわけだ。ということはやっぱりマーキュリーに軍配が上がる。3分割で船首をコクピットに挿入できるので荷物は2つになる。しかしC-TUGというキャリアを使えば駐車場で組み立ててそのままこのキャリアに載せて岸辺まで持って行ける。






2023年11月1日水曜日

さらに補修(23/11/01)

今朝寝床である日本人がアップしているSea Eagle 393のYouTube動画を見つけてみてみたがモーターを使って膨らませても結局5分かかっている。5分ならTucktecと変わらない。Tucktecはしんどいが。393は穴が空きやすいとのこと。まぁゴリラテープを貼れば解決だが。それと393はやっぱり狭くて不安定に見える。Tucktecでよかったのかもしれない。
朝8時頃から10フィートのカヤックの裂け目修理で追加のゴリラテープを貼りスケッグが当たって音がするのでスポンジを貼り、船首を巻き取ったときにプラスチックベルトが当たってゴリラテープが破れるのでベルトをノコギリで切り、勢い余って折り目に穴が空き、呆然としてそこもゴリラテープを貼りまくって補修し、ドアモールを船べりに木槌で叩いてはめて一応完成したので一庫ダムで進水式。知明さくら橋を過ぎてしばらく行ってから引き返し、往復3キロを1時間で帰ってきた。補修部分は問題なし。と思ったが夕方広げてみたらゴリラテープが所々剥がれている。巻き取るときに当たったり引きずったり当たったりするとこのテープは簡単に穴が空いてしまうのだ。仕方が無いのでアマゾンでYABOO 防水ブチルテープというのを注文した。これまたどの程度効果があるかはわからないのだが。







2023年10月30日月曜日

10フィートのカヤックの修理(23/10/30)

 





10フィートのカヤックの裂け目の修理。裂け目の長さは45センチ。追加の蝶番とビスが届いた。ゴリラテープを貼って3カ所ビス留めした。ずっと以前に丸鋸カッターを買ったものの今日まで全く使う機会がなくて無駄な買い物をしたなぁと思っていたがゴリラテープをカットするのにすごく役立った。貼りすぎてゴリラテープが足りなくなった。追加で注文した分は明日の夕方来る。ゴリラテープを貼り足したらあさってダム湖で進水式が出来るかもしれない。しかし折り曲げたらゴリラテープが裂けるかもしれない。裂けたらこの修理はもう諦めよう。諦めて10フィートのカヤック用のスタビライザーを改造して8フィートのカヤックに付けられるようにしよう。













2023年10月28日土曜日

各種カヤックの比較と折り紙カヤックの特性(23/10/28)

 車に積み込めるカヤックにはインフレータブル式(Sea EagleのRazorLite™ 393rl)、骨組みを組み立てて布の船体を被せるファルト(フジタカヌーなど)、モジュラー式(PAKAYAKやPoint65)、折り紙式の4種類がある。それぞれに長所と短所がある。それらについてまとめてみた。ただ私は昨日今日カヤックを始めた超初心者なのでそんないい加減な人間の言うことでも一応聞くだけは聞いてやろうと思うひとだけお読みください。



ここでファルトの得点が格段に低いがこれはファルトボートの持つスポーツ性とトレードオフの関係にある。ファルトはこの中で唯一本式のカヤックに近い(モジュラー式もハードシェルに近い)。

今回私が購入したTucktecは折り紙式である。折り紙式にはもう一つ「Oru Kayak」というメーカーがある。TucktecとOruの比較↓



OruはTucktecよりも軽く組み立てが容易だがその分やや丈夫さや直進性(trackability)や保証に難点がある。アメリカ本国ではTucktecよりも高く日本で買うとなると3倍くらいする。
そんなわけで私はTucktecを買ったわけだがこの折り紙式にまつわる本質的な問題点について前々回の日記で私は以下のように書いた。

ふと思うのだがこれは紙の折り紙をするときに間違った折り方をしたために出来た折れグセを直すために、「間違った折れの起点を指で押さえておいて正しい起点で折れるようにしてやる」という行為と同じことをここで再現しているのではないか。
つまりこのTucktecのカヤックというのは手で折る「紙の折り紙」よりも20倍も大きくて、しかも紙ではなくて素材が高密度ポリエチレン熱可塑性プラスチックという特殊なポリマーなので何倍も硬いけれども、やはりこのカヤックの組み立て工程は「折り紙」なのだ。
だから「間違った折り方をしたために出来た折れグセを直すために、間違った折れの起点を指で押さえておいて正しい起点で折れるようにしてやる」という紙の折り紙では「何気なく」かつ「軽々と」やっている行為をこのカヤックでやろうとすると「右後ろと船尾のラッチを外し、船を立ててえくぼを足のかかとで踏んで平らにし、ここが持ち上がってこないようにかかとで踏んづけたまま船体を手前に引きつつラッチを咬ます」という、はなはだ大げさで、かつそれらを意識して行う必要があるわけだ。逆に言えば自分の身長が縮んで5cm位になって、自分の身長の何倍もある折り紙で鶴を折ろうとしたら大変苦労するだろうし各工程で様々なノウハウを駆使しなければならなくなるだろうということだ。
紙の折り紙よりも大きくなると必然的に筐体が弱くなる。それを補強するためにOruは筐体にポリプロピレンを、Tucktecは高密度ポリエチレン熱可塑性プラスチックという特殊なポリマーを使って素材の強度をアップした。Oruはその分穴が空きやすくなり、Tucktecは硬い素材を使ったことで穴は空かないが組み立てに力が要り、かつ折り曲げの部分に負担がかかって裂けやすくなったと。まとめるとどうもそういうことのようだ。