2024年12月23日月曜日

なぜカヤックは風上を向こうとするか



なぜカヤックは風上に向かって進もうとするのかは謎だったがKen Whiting氏の動画で謎が解けた。

まずカヤックがまっすぐに前方に進んでいるとき、船首の左右から均等に水圧がかかっているので船首はまっすぐ前を向く。この左右からの水圧は船体が最も膨らんでいる中央付近まで作用するが、それより後方では船体が細くなっていくため水圧が減弱し、船尾はちょっとした力で左右にブレる。

今進行方向の左から風が吹いてくると、船首はその影響を受けずに真っ直ぐ前を向き続けるが、自由な船尾は左からの風に煽られて右に移動し、相対的に船首は左を向くことになる。それによってカヤックは風の吹いてくる方向に進んでいこうとする(風見鶏現象)。つまり船の進む方向は船尾によって決まる。小舟から巨大な客船に至るまで舵が船尾に付いているのはこうした訳だ。

Ken氏は動画の中ではスケッグやラダーは不要の立場。普通は風が来ても左右でパドルの漕ぐ割合を変えたりカヤックを風上側に傾けたり(外傾ターン)すれば十分。ただ外洋で長距離を漕ぐときなど一方向からの風がずっと持続するような場合には左右不均等なパドリングや船体を傾け続けるのは疲れるのでそんな場合にはスケッグやラダーは便利だと。

2024/12/23


0 件のコメント:

コメントを投稿